遺言書を作成する際の注意点

2020年3月10日

遺言はあくまでも法律文書の1つであり、民法によって書き方について定められていますが、書き方を理解しただけでは有効な遺言書を作成することは出来ません。
それは真に遺言者の気持ちを反映させた遺言になるとは限らないからです。
今回は遺言書を作成する際の注意点を紹介します。

遺言書の作成が難しい理由

1・遺言者の心情は常に変動するものなので、一度作成したとしても年月が経つと不都合が生じる場合がある。
2・遺言者の財産の内容や評価額に変化が付きまとうので、年月が経つと財産の内容が変わる場合がある。
3・そもそも遺言者自身が気持ちの整理が出来ていない。

遺言書が効力を発揮するのは遺言者が亡くなった場合となります。
人はいつ亡くなるかわからないこともあり、遺言書を作成してから10年以上経過してしまうことも珍しくなく、心情や財産内容の変化に遺言書が追いつかないことが多いのです。

遺言書作成の注意点

以上のことを踏まえつつ、遺言書を作成する際のポイントとしては

家族のことをしっかりと考えて、想いを整理して付言にする。

家族に対する気持ちが曖昧なままでは、正確な遺言を作成することは出来ません。
しっかりと考えて遺言内容が決まったら、それを付言として文章にして残すようにして下さい。

推定相続人をはっきりさせる

推定相続人とは自身が亡くなった際に相続人として法定されている人物です。
推定相続人が誰なのかが分からなければ遺言の内容が台無しになってしまうこともあるので、遺言書を作成する前に戸籍を取得し、現在の親族関係を確認しておきましょう。

遺留分を侵害しないようにする

遺留分とは民法で定められている相続人に認められた、遺産に対する一定割合の権利です。
遺言の内容が遺留分を侵害していたとしても遺言自体は有効となりますが、遺留分を侵害していり場合には争いに発展することになるので、予め遺留分を侵害しないように気をつけた方が良いでしょう。

遺言執行者を指定しておく

遺言執行者とは遺言の内容を実現するための権利を与えられた人を指します。
スムーズに遺言内容を実現するために遺言で指定しておく方が良いです。

定期的に財産内容の見直しを行う

預貯金であれば額面通りの財産となりますが、有価証券や不動産は常に価値が変動しています。
財産の棚卸しが甘いと想定通りの遺産相続が出来なくなるので、定期的に財産内容の見直しを行うようにしましょう。