遺言書の中に書くことができる内容
先月の話ですが、大阪でのあたたかい家族葬に参列させて頂きました。
故人はがんの治療法に関する本のアドバイスに従って最後まで闘病されたそうです。
故人の遺言書も、その人柄がよく伝わる、愛に溢れるものでした。
遺言書には様々なことを書くことができます。
しかし、遺言書として法定拘束力がある事項は限られており、この限定されている事項を「遺言事項」と呼びます。
今回は遺言事項について紹介します。
遺言事項は主に3つです
遺言事項として法定拘束力がある事項は、「遺言執行に関すること」、「財産の処分に関すること」、「身分に関すること」の3つがあります。
遺言執行に関すること
遺言執行事項の相続に関することとは、遺言の内容を実行するための「遺言執行者の指定」といった内容となっています。
スムーズに相続を行うには事前に選んでおくことが望ましいです。
財産の処分に関すること
財産の処分に関することとは、「法定相続分と異なる割合での相続の指定」や「財産の遺贈」、「遺産分割方法の指定や遺産分割の禁止」、「寄付や一般財団法人の設立」、「信託の設定」といったことで、遺言のメインといえる内容です。
身分に関すること
身分に関することとは、「婚姻届を出していない夫婦間に生まれた子供の認知」や「未成年後見人の指定」、「相続人の廃除や、廃除の取り消しを行う」といった内容となります。
遺言を書く際の注意点
遺言は基本的に遺言者が自由に書くことができます。
しかし、遺言の内容によっては相続人同士で遺産を巡って争いが起きる可能性があり、この争いを防ぐために遺留分か存在しているとも言えます。
その為、相続人1人が特別有利になるような内容になると、争いとなる可能性が非常に高くなり、遺産を巡っての争いを防ぐことが目的である遺言が争いの原因となってしまっては意味がありません。
法定相続分と異なる割合で相続分を指定する場合には、遺言者が財産を分ける際の考えを伝えることが重要で、「長女は自分の介護をしてくれたので多めに財産を分ける」といったように具体的な内容を付言事項に書くと遺族も納得しやすくなります。
付言事項には法的拘束力はありませんが、遺言者の最後の意思や気持ちを表現する場となっています。